昨年夏の大塚山・御岳山と陣馬山では、熱中症で死ぬかと思ったので、今年は暑くなりはじめたこの季節、ちょっと高いところへ行くことにしました。1000m超の高地から登り出せる三ツ峠なんか最適ですね。標高は1800m近くあるので、地上より10℃ほど涼しいのではないでしょうか。
登るにあたり、富士急の三つ峠駅から表登山道コースにしよう!と提案するも、一部隊員から「きつそうだからイヤ!」の意見。それではと、三ツ峠登山口まで運んでくれるハイキングバスにしますが、距離的に河口湖駅9:00発のバスには間に合わないため、乗れるのは9:40発になります。
登山口は10:07着。いくらなんでも、これは遅いだろ?こんな時間から登りだしたんじゃ、山頂着くのはいったい何時になるんだ?
そう思って歩きはじめたら、あっという間に山頂に着きました。
たったの一行で山頂に着くんだから、よっぽど近いんです。
登りはじめて一時間経ったところで軽く休憩。しっとりと濡れた森が快適。この後どれくらいかなと思ったら、もうすぐそこでした。荷揚げ用のクルマも通る山道は、普通に歩ける、とっても楽な道です。m隊員は湿度99%のサウナのような状態で息が苦しいーと、盛んに言っています。
みんなが右へ行く二股を、左へ歩いていくと、「お?こんなところに民家?」「あれ?ひとんちの庭先に入ってしまった?」と思ったそこが頂上直下の山荘、四季楽園。
玄関前を通り抜けると木製のテラスいた先客がTシャツ姿の我が隊を見て
「おお!半袖!若いねー」って。
フフフッ、若いって言われちゃったよ!!! とおもったら後ろのm隊員に対してでした。
ガスの向こうには開運山があるはず。
「あとちょっとだ、頑張ろー!」的な。
三ツ峠には三つのピークがあるのですが、ガスに囲まれて良く分かりません。そのうちの一番高いピーク、開運山は凄く広いところを想像していたのですが思ったより狭く、先行者もいっぱい。白いガスのなか、写真だけ撮ってそそくさと降りてきます。木無山の方へ戻ったところにあった展望広場というのが、私が思っていた開けた場所でした。ここでリュックをおろし休憩です。
「三ツ峠」の石碑の向こうには雄大な富士山。が見えるはず。
開運山の頂上から少し下がったところの断崖にある出っぱり。「すごーい!たかーい!こわーい!」的な。
昼食をこの展望広場でとります。隊員nが20年来愛用しているストーブで湯を沸かし、アルファ米のカレー、ピラフ、五目飯を仕込み、その間にツナ入りトマトソース・スパゲティを作ります。
出発前、
「今日は山頂で調理するからおにぎり持ってこなくていいよ」
m隊員にはそう告げて手ぶらで来させ、いざ登る段になって、
「この水筒を持ってくれないかなぁ? 持ってくれないと、御飯はあげられないな、フッフッフッ」
卑怯ですね(笑)
いそいそと昼メシの仕度。
適当に作ったアルファ米のゴハンは、ちょっと固いところがあったり、乾燥剤を取り出し忘れたりしましたが、まあまあ。スパゲティはデミグラスソースを追加したらちょっと味が濃すぎ。みんな「美味しいよ」と言うんですが、おかわりを取り分けようとすると、
「あ、あ、もういいから!」と露骨に避けられます…。
「なんでだよー!美味しいって言ってくれたじゃないかー!」
そんな食事中に、いきなりバラバラと雨が落ちてきます。カッパを着込んで黙々と食べ続けますが、下山路でも降り続くようならマズいだろうと、食べた後は早々に片付けて行動に移ります。
幻想的なこんな道がずっと続きます。
ほんの数メートル先しか見えないようなガスの中でも、標識がしっかりしているので、迷わず天上山へ向かって歩けます。ジャングルのような雑木林の中、なだらかな下りがずっと続いていくような道です。
上半身裸でタトゥーだらけの二人組に道を聞かれたり、m隊員に絶対書いちゃダメ!と言われたインシデントがあったりしながら、淡々とくだります。
ところどころ樹林帯が切れると、「おお!」と感嘆するような眺めがあるはずですが、この日はすべて白いガスの中でした。
上半身裸の米国人二人組が持っていた地図。
もっとしっかりしたのを持って来いー!
ほうとう
山上では「もうお腹いっぱいだから」と、私の手製スパゲッティを遠慮した二人の隊員ですが、河口湖駅前では「ほうとう」を残さず完食してました。どげんこつね!
(2011.6.21 隊長n記す)