n2山岳隊 が行く!

丸山(まるやま)

2011年6月5日(日)

芦ケ久保駅(9:10着/9:17発) ── 滑り台(9:45〜10:05) ── 766m地点(11:00〜11:10) ── 丸山(12:20〜13:00) ── 金昌寺(15:20) ── 金昌寺バス停(15:50発) ── 西武秩父駅(16:10着/16:25発)

奥武蔵というか、秩父へやってきました。
レッドアローに乗りたかったので、横瀬まで行き、上り電車で一駅戻ってきます。横瀬で上り電車を待つあいだ、三人でホームから見える山を地図と照らし合わせて遊びます。武甲山は間近に聳える削られた縞々の山肌、二子山は、その名の通り山頂が二つ並んだ双耳峰、そして目指す丸山は、まるっとした山頂かと思いきや、意外と三角形のすっきりとした形でした。

 

西武秩父線芦ケ久保は、山を切り開いた地にありるこじんまりとした駅。駅前ではいくつかのパーティーが支度中でした。

 

出発前のウキウキ感。まず、観光案内図を眺め、次にこれから登る山を見上げ、そしておもむろに駅前広場正面の小さな階段をくだっていきます。

しばらくはウネウネと続く急な舗装路を登っていきます。数十分歩いて果物狩りの看板を幾つか過ぎたあたりで、やっと山道へ入ります。
隊員m「山域によって、山の雰囲気って全然違うんだね」
隊員n「やっぱり道路と違って山道は良いね」
なんて言っていると、目の前がぱっと開け、そしてウネウネと続く赤い滑り台? ゴムローラーが並んだ、いかにも滑り良さそうな滑り台! おまけに尻の下に敷くビート板まで用意してあるじゃありませんか。
隊長n「滑ろう!」

 

「キャーッ!ヤッホー!」
登山を忘れ、遊園地で滑り台に興じるn2山岳隊。我々はいったい何をしに来たのだ?

 

一転して、防火帯の急な坂道は黙々と。途中、766m地点の休憩で冷やしたトマトとメロンを食べたら旨いのなんの!生き返りました。それまで遅れがちだったけれど、元気が戻ってきます。

ひとしきり遊んだ後、小さな沢沿いを登っていけば、またもや舗装路に出ます。ここで日向山へのコースが分かれていきますが、午後から高い確率で雨の予報だったので、早めに丸山へ登ろうと、そのまま舗装路を歩き続けます。
バーベキューができる木ノ子茶屋を過ぎた先で、右側に登山道入口。暑くて結構へばっていましたが、ここを我慢して登ると、防火帯の広い登山道に出ます。
一息ついてから登りだせば、これがけっこう急。トマトとメロンのパワーで登りきれば、何ということでしょう。またしても車道に…。突っ切ってまた少し登って、曲がって、下って、ようやく山頂に近づいてきました。

 

この下を道路のトンネルが通っています。ここから一登りで山頂です。

 

上の写真の反対方向。「炭がま」っていう地名があるのかと一瞬思いました。

 

薄曇りの中、緑のコントラストがきれい。ぼーっと眺めていたら、どこからともなく低く不気味な羽音が…。

頂上手前のトイレ標識の辺りで隊員たちのお手洗いを待っていると、何やら黒っぽくて5cmはありそうな飛翔体が接近。うわ!大スズメバチだと、刺激しないようじっとして目だけで追っていると、ババババッとブブブブッの中間のような低い音を響かせながら私の周囲をブンブン回り始めるじゃないですか!
威嚇をしてこないから刺さないだろうとは思っても気持ち良いもんじゃない。そろーっとタオルを首筋にまき、三人分のリュックを持ってゆっくりと移動。さすがに、昆虫とは思えない迫力がありますね。二人が戻ってくる頃には居なくなっていました。

山ツツジの間を抜けて見上げれば、コンクリ製の建物が見えてきます。

 

頂上に着くと、ちゃんと計ったように低く雲がたれ込めてきます。不思議ですね。三人の中の誰の行いが悪いんだ?
この展望台の上は思ったよりも狭かったので、おにぎりは下のベンチへ降りてから。

 

丸山要塞の全貌。この山頂には水道栓があって感激!この要塞で雨水を溜めているのでしょうか?
ちょうど良い涼しさのなかランチ・ターイム!

下山路は山頂から来た道を引返し、途中の東屋が建つ分岐から金昌寺方向へ進みます。森林館でトイレ休憩をすませた後は、森の中の道を淡々とくだっていくのみ。
でもこの道が結構面白かった。オコジョのようなものが目の前を横切ったり、ひょいと曲がった先にいたタヌキと目が合ったり(笑)。でも人を察知した後の素早いこと、どちらも一瞬のできごとでした。
あとは誰にも会わないのをいいことに、熊除けにと三人で歌を唄ったり、犬や猫の鳴き真似をしたりしながら、ひたすら歩く歩く。獣除けのネットを通過し、ぽつんと建つ祠に低頭し、そろそろ地平かなと思った頃に、ようやく金昌寺の墓地裏に着きました。

ところで今回は、冬の難台山以来となるシリオの靴を履いてきました。その時は踵に靴擦れができ、えらく痛い思いをしました。帰宅後、購入したさかいやで足に合わせたインソールを作ってもらったのですが、なんとなく警戒して、以後はトレッキング用の軽い靴を履いていました。
今回は歩く距離も長そうなので、靴擦れ防止の工夫をして再挑戦。結果は、全く痛くないどころか、足にもの凄くフィットするまでに!ああ、嬉しや。この靴、手放せなくなりそうです。

 

てくてく歩くこと2時間20分。ようやく金昌寺に降り立ちました。降りきった山門に巨大なワラジ。どのような謂れなのでしょうか。

 

山門脇には六地蔵尊。
今回は、山上まで車道やいろいろな人工物も多く、山登りというよりは高低差のあるハイキングのようでした。でも、この金昌寺までの道が森深く、素朴な石仏の並ぶお寺に着いた時には、また別の感慨がありました。

郵便局の真ん前のバス停に出れば、すぐにバスがやってきます。1時間に1本なのに、なんという行いの良さ!
駅へ着けばちょうど良い時間に池袋行きレッドアローがあったので、秩父錦を酌み交わしながらの反省会はありませんでしたが、また来そうな予感。お楽しみはまた次の機会にとっておきましょう。

(2011.6.8 隊長n記す)

シリオの靴と足の形との関係