隊員nはことのほか陣馬山が気に入ったようで、ことあるごとに「陣馬山にする?」と言ってきます。理由は、コースが楽、見晴らしが良い(富士山がよく見える)、そして、山頂の茶屋でうどんが食べられる、などのもろもろでポイントが高いらしく、そんなわけで今回、4回目の陣馬山行となったのでした。
実は出発前に隊員と隊長はケンカをしてしまい、あわや中止か!とも思われましたが、隊員が泣きながら謝罪して来たので、 なんとか一時間弱の遅れで自宅を出発します。季節のせいなのか、遅い時間のせいなのか、中央線の電車は登山客の混雑はありません。途中、2回乗り換えて藤野駅に着いたのは、すでに10時。登山口へ向かう車道歩きも気持ち早め。今回は迷うことなく一ノ尾根を選択し、ずんずんコンクリート敷きのつづら折れを登って、登山口へ着きます。早足で歩いたせいかうっすら汗ばむほど暑くなって来たので、アウターを脱いで山道へ足を踏み出しました。
すっかり葉が落ちて見通しが良くなった一ノ尾根を行く隊長。隊長の頭も毛が落ちて、すっかり見通しが良くなり…
夏と違って冬の低温ですこぶる調子は良いので、順調に登っていけます。黙々と登りつづけて登山口から1時間ほどの標高700m前後の地点にあったベンチで小休止。登っているあいだは汗がしたたるほど暑いのに、立ち止まれはたちどころに冷えてくるのは、さすがに1月だから。ベンチは南側に面しているのですが、薄曇りなので陽射しはありません。ここでビスケットと暖かいスープで一息つきます。
南側が開けたちょうど良いところにベンチがあります。ここで10分ほどの休憩。ここまで誰とも会いません。サーモスから熱湯を注いで作るスープがうまい!
上の場所で頂上側を向いて撮影。新緑の頃も好きだけど、こういう風情も、ぐっと来ますねえ。
山頂直下の木段ではさすがに息が切れましたが、それ以外はたいしてくたびれもせずサクッと登って来れました。一ノ尾根は、何度登っても飽きない、良いコースだと思います。
着いた時間が遅いせいか、寒さのせいか、今日の山頂の人出はごく少なめ。いつもの茶屋で、いつものように山菜うどんとお汁粉を頼みます。昨年の冬と違って雪と風がないので、陽は射さずとも外のベンチででのんびり昼食を楽しみます。食後はテーブルの上に山と高原地図を拡げて、山座同定で盛り上がります。
富士山は裾野の一部が見えているのですが、上の方の雲は取れずじまい。それだけがちょっと残念でした。
山頂から北側の方向。奥の方、真ん中の山のシルエットは大岳山です。今日は人が少ないから、色彩も地味目デス。
いつもの店でいつものうどん。今日は厚切りのハムが入ってた(笑)
帰路は栃谷尾根を選択します。まだまだ暑かった昨年の9月に、この尾根を登った時には死ぬかと思いましたが、寒い中の下りは超快適。あっという間に登山口へたどり着きます。いつもは藤野駅まで徒歩で戻るのですが、今日はうまい具合に駅へ行くバスに間に合いそうなので、時間を気にしつつバス停目指して舗装路を下っていきます。登山道の下りは土なのでそうでもないのですが、舗装路の下りは足の裏が痛くて痛くて。
バスはあっという間に駅に着きました。
夕方っぽいけど、まだお昼頃に撮った写真です。
登り続きでゼーハーとしんどいのに、ふっと勾配が緩くなった時に感じる身体の軽さや、黙々と歩いていて水を飲むために立ち止まった時に気づく、音のない静寂の世界。今回、久々の山歩きで忘れていたことを思い出しながら、自分は山歩きが好きなんだなと、あらためて思ったのでした。
(2011.1.17 隊長n記す)