n2山岳隊 が行く!

高尾山〜城山(たかおさん・しろやま)

2011年2月20日(日)

高尾山口駅(8:20着/8:35発) ── 稲荷山展望台(9:15) ── 高尾山頂(10:05〜10:25) ── 一丁平(11:00〜11:20) ── 城山(11:40〜12:20) ──薬王院(13:45〜14:10) ── リフト山上駅(14:30)

奥さんの元同僚で、奇しくもn子ちゃんと呼ばれるmさん(ややこしいね)が加わりn3山岳隊となった我が隊、今回は、果敢に高尾山を攻めたのであります。

mさんは、山登りは今回が初めてとのこと。デビューの地をどこにするか? ついこの間だった自分の初登山なぞを思い出しつつ、ケーブルカーで筑波山に登ろうだの、雪の三ツ峠表登山道がいいだの、舐めた提案から無理目の意見までいろいろありましたが、やはり最初は無理をせず、山の楽しさが詰まった高尾山から陣馬山へと伸びる稜線歩きへ落ち着きました。
待ち合わせの京王線改札口に現れたmさん、上下黒のウェアで結構ビシッと決まっています。電車内では渡した高尾の地図を見て、しっかり予習も。「スタート地点はどこで、どこまで歩く予定?」みたいな質問も飛び出し、見た目よりずっとしっかりしています。(って舐め過ぎか…)

今日の天気は回復しそうにない曇天。日が射さないので肌寒い高尾山口駅ですが、ホームに降りれば匂ってくる山の香が気持ちを盛り立てます。自分だけリフトで登りたいとゴネてみたものの、あっさり却下され、それではと仕度を済ませて、稲荷山コースへ踏み出します。このコースはmさんはもちろん、我が隊にとっても初めてです。取り付きは階段から。嫌な予感がしましたが、この階段はすぐに終わり、あとは淡々と尾根を登っていく、なかなかいい感じの道です。

ケーブルカーきよたき駅前でハイポーズ。

出発前の高尾山ケーブルカーきよたき駅前。登る前だから、当然まだ元気! 切符売り場の照明はついていますが、ケーブルカーは冬季オーバーホールのため運休中。なので今日はリフトで稲荷山コースを登ります。

登山道の途中で立ち止まってポーズをとる二人

稲荷山コース取りつきの階段を登ってしばらく歩くと、ようやく山の中らしくなってきます。このころもまだまだ元気!(でも超遅い)

低い気温のおかげで快適に登っていけるなぁと思いながら、振り返れば後続の二人が来なーい!いや、来てはいるんだけど全然後ろに付いて来ない。で、たびたび立ち止まって追いつくのを待っていれば、ウェアがどうとか靴がどうとか、そんなことを喋りながら隊員とmさん超ゆっくりと登ってきます。
こんなんでは、芸能人の誰それがどうしたとか、トーチャンの保険がどうしたとか、そんなことを休みなく喋り続けて歩いているオバちゃん集団になってしまうぞ! いや、既になっているのか! とあきれていましたが、自分の初登山の時を思い返せば、バテバテで這うように登ってくる自分を、当時の隊長はこうやって立ち止まっては、じっと待ってたよなと…。そうやってすぐに自省し改めるところが、さすが隊長の所以と、ひとり自画自賛しつつ、後ろのペースに合わせて今度はゆっくりと歩き出したのです。

だんだん登りがキツくなってきます。

難台山を登った私にとっては、これくらいの傾斜はまるで平地のよう(なんてね)。この時間で降りて来る人も何人かいました。このころもたぶん元気!と思ったけど、mさんホントはけっこう疲れてたかな?

道は、狭くなったり広くなったり登ったり水平だったりしながらも標高を上げます。冬の曇天なので、黙々と登っていくのみですが、途中、登山道のすぐ脇で啄木鳥が木をつつく音を聞いたときには、これだけでも今日は来た甲斐があったなと得した気分。
展望のきかなかった展望台を過ぎ、琵琶滝コースからの道が合し木段が目立ち始めると、そろそろ高尾山頂も近い予感。最後に長い木段を一気に登って山頂に立ちました。ここまで地図のコースタイムと全く同じく、丁度90分。初めてのmさんが一緒でゆっくり登ってきたにしてはいい感じですが、今日は景信山までは行きたいと思っていたので、この時計では難しいかも? それでもまあ、とりあえず休憩しようやと、記念撮影に興じたり、パンと甘味を補給したりして少しのあいだ山頂を楽しみます。

たとえ高尾山といえども休憩しているあいだは寒い。今日に限ってサーモスをもって来なかったので、熱いものが飲めず、この20分程度の休憩ですっかり汗も冷え肌寒くなってきます。次に目指すのは行程1時間ほどで着く小仏城山。そこまで順調に行ければ、最初の予定通りもっと先の景信山まで行ってみようと決め、再び歩き出します。

泥んこの道なのでみんな端っこを歩いています。

先ほどの稲荷山コースの高尾山頂直下で、すれ違った人から「稲荷山のコースはぬかるんでますか?」と聞かれた理由が分かりました。高尾から先の道はいたるところ、泥濘というか、代掻きしたあとの田んぼの様というか、とにかくグチャグチャ。陣馬山の方から歩いてきた人は大変だったわけです。
降雪後や霜柱が溶けた後、登山者が多い道は大抵こうなりますね。泥の塊がついて靴が重い重い。ここで滑って尻餅でもついた日には、電車に乗って帰れなくなるぞと、慎重に歩を進めます。初めてのmさんは、歩き辛いし、おろしたての靴がドロドロだぁ!とやや泣き顔、大ベテランの隊員も歩き辛そう、小ベテランの私はまあぼちぼちだけど裾は泥だらけでした。

小仏城山の山頂標柱。

小仏城山の山頂。こうやって写すと全く何もなさそうなところに見えますが…。

途中の一丁平でも休憩をしたので城山に着いたのは12時近く。帰路は薬王院に参拝したかったし、初めてでそう急くこともないだろうと、景信山は諦め、ここ城山で昼食の大休憩です。ただ、きょうは景信山の茶店でうどんを食べるつもりにしていたので、弁当を持って来なかった…。イマイチな組み合わせだけど、城山の名物なめこ汁で持ってきた菓子パン(甘い)を食べようかなと思ったそのとき、「おにぎり二個あるから一個あげるよ」ってmさん。その瞬間、mさんが天使のようにキラキラして見えました。
寒い日には熱々のなめこ汁が旨い! 隊員はおでんを食べています。「晴れていれば相模湖がきれいだよ」とか、「富士山見たかった」とか、「次はストーブ持って来ようか?」とか、とりとめのないことを話しつつまったり過ごします。この時間がやっぱり楽しい。これで周りの景色を眺めつつだと、もっといいんだけどね。今日は眺望が無かったのが残念。

帰路も慎重に歩き、モミジ台の巻き道でようやく乾いた地面に戻り、歩くスピードもアップ。mさんも後ろからブイブイ煽ってきます。薬王院に参拝してから先は観光気分で、あちこちに寄り道してのんびりと下界へ降りてきました。高尾山名物のとろろ蕎麦屋で乾杯し、感想を述べ合います。曇天は残念だったけど、山歩きはとても楽しかったし、ぜひまた行きたいとmさん。もう少し速く歩くと行ける範囲が広がるよと偉そうな私。ここの蕎麦美味しいねと隊員。ほろ酔いとなったあと、皆で次回の山行を約束し京王線車中の人となったのでした。

薬王院の前で線香の煙を浴びる二人

火遊びに熱中する二人。

カラフルな薬王院と天狗像。

けっこう腹が出ていますね… 違う?胴巻き?

山を眺める二人の後ろ姿

ミシュランにも載ったけど、高尾山は御山であり聖地でもあります。(比較的)若いmさんは、「いわゆるひとつのパワースポット的なー」と盛んに言っていましたが。

(2011.3.2 隊長n記す)