n2山岳隊 が行く!

弟富士山・若御子峠(おとふじやま・わかみことうげ)ハイキング

2012年5月12日(土)

武州日野駅(8:36着/8:40発) ── 弟富士山(8:50) ── 浅間神社(9:20) ── 安谷川木橋(9:40) ── 千手観音(10:20) ── 憩いの広場(10:55〜11:05) ── 国見の広場(11:22) ── 浦山ダム(11:50〜12:10) ── 長泉院(12:25〜12:40) ── 浦山口駅(13:10) ── 橋立堂(13:25〜14:25) ── 浦山口駅(14:40着/15:10発)

弟富士山?若御子峠? 地元の人と、行ったことのある人以外はたぶん誰も知らない秘境中の秘境、それが今回の目的地です。自分も行くまでは全然知らない所でしたが、このコースを歩いてきた今では、もうエキスパートと呼んでも差し支えないでしょう。
秘境中の秘境と書きましたが、秩父市が出しているハイキングマップにはしっかり載っています。(この地図を見てここに決めたのです)

おなじみの西武秩父駅まで特急でやって来ました。秩父鉄道への乗り換え時間に余裕がないので、数百m離れた御花畑駅へ、やや急ぎ足で向かいます。(そのわりには写真撮ったりしてますが)

三峰口行きの電車に乗り換え。

今日の同行者は、アフロヘアーがトレードマークの隊員nです。

武州日野駅から右へとっとこ歩いていきます。この先の踏切を渡ったすぐの所にある浅間神社から、弟富士山へ登りはじめました。

隊員nは、このあいだ買ったトレラン用の靴を履いてきました。おニューの靴が嬉しくて走って登っていきます。

弟富士山の頂上を過ぎて少し下ったところにあった虚空蔵岩。ハイキングマップには眺望良しとありましたが、時既に5月、葉っぱが茂っていたので見晴らしは利きません。

岩登りを試みるも、足場がなく断念の図。でもこの大岩の根本には菩薩像が納められており、本当に登らなくて良かったのでした。

弟富士山をぐるっと回って降りてきた所にあったカタクリ自生地の案内板。でもカタクリの花の季節はとっくに終わっています。

その代わりに咲いていたのが、この花。隊員によるとユリ科のアマドコロというらしいです。(隊員も自信なさげでした)

弟富士山の裾野を時計回りにぐるっと回って戻ってきます。おしまいに鳥居の連なりをくぐり抜けます。

登って下って廻って、最初に渡った踏切まで、約40分の行程でした。

お次は駅から山の方を目指し舗装路を歩いてやってきたところの分岐点。昌福寺方向へこの少し先から道路を外れて渓谷へくだっていきます。

降りた所に掛かっていた木橋。看板の荒川村は、今は合併で秩父市となりました。

吊り橋や木の橋が超苦手な隊員は、「少人数でお渡りください」の看板を見ただけでビビり、おっかなびっくり渡ってきます。

渡り切ったとたん、ドヤ顔になる隊員。

我が隊の熊除け。

広葉樹林帯を抜け、墓地の中を進んでいくと禅宗の昌福寺に出ます。

次のポイント、千手観音まで山里の集落の中の道路をてくてく歩きます。途中、あちこちにソバ畑があります。秩父はソバの産地です。どの店に入っても蕎麦がおいしいと思います。(まだ3軒しか入ってませんが)

千手観音のすぐ脇を抜けて山道に入ると、近くの飼い犬がワンワンと吠えてきます。登山道だと思った道は少し登った所で行き止まり。さっきの犬は「道が違うよ!」と教えてくれていたのでした(大嘘)。しかし斜面の数メートル上を見れば林道があるようなので、そっちへ移動。林道の舗装が途切れ、さらに20分ほど登ると伐採された小広場にでました。駅を出てからずうっと歩きづめだったので、ここでザックをおろし小休止。

広場からまたすこし登っていくと若御子峠の分岐があります。その先には強風が吹き抜ける馬ノ背のような箇所もあります。

階段を少し上れば、

本日の最高地点(606m)、国見の広場に到着。ここも葉っぱが茂って、あまり見通しは利きません。

国見の広場から東へくだります。階段のつづら折れをひたすら降りていくと、白い浦山ダムがあらわれました。

降り切った地点。ここから登る場合は遊歩道ってほど楽ではないと思います。

満々と水をたたえたダム湖。湖面を見た隊員は盛んに「凄い波立ってるよ」と言っていたのでした。

マップによると、この階段を下りていくのがルートになっていましたが、階段入口はシャッターが降りて通行止め。その理由は…。

このダムの上を天端(てんぱ)と言いますが、ここを渡って対岸にある資料館のトイレに行きたいと隊員が言うので、何の気なしに歩き出しました。対岸は372m先です。
最初はのんきに下の方を覗きこんで「うわぁ、高けえ!」なんて言いながら歩いて行ったのですが、写真中央の白い四角い建物を過ぎて天端の幅が半分になった所で、いきなり台風並みの強風に身体が流されます。あっ飛ばされるっと思った瞬間、必死に地面に這いつくばる二人。
這うように姿勢を低く保って数十メートル先の建物の陰にたどり着きますが、そこにいても風で飛ばされた水飛沫がかかる。先を見ればまだ100mほど先の対岸に張ってあるトラロープが飛び跳ねそうな勢いでブンブン揺れています。「この先も凄い風なんだ。進めないぞ!」「ええ、トイレ〜」 そんな場合じゃないっつーの。
下山した側の岸にあったトイレが故障のため使用中止で、「対岸のトイレをご利用ください」の張り紙を見て、写真のやや下の方に見えるトラロープをなんの気無しに越えて進んだのが敗因でした。なんとか必死で戻ってきて思ったのは、このロープは強風で通行止めにするために張ってあったんだなと。
山中の断崖や稜線でもない、どちらかというと日常の(ダムが日常かはあれだけど)のどかな場所で、いきなり飛ばされて死ぬかもしれないと感じた驚怖の体験でした。

半分呆然としながらも降りてきました。たどり着いたのは長泉院のしだれ桜(の葉)。見事な大木でした。

長泉院でしばし休憩し心を鎮めます。

長泉院附近から望む浦山ダム。こうやって見ると模型のよう。ダムの高さは156mあるそうですが、下から見上げると全然怖くないです。

次は橋立堂を目指し、途中の養魚場、キャンプ場を横目に浦山口駅手前で右折し、お墓の横を抜け、

木立の中を抜けてズンズン歩いていくと、

せり出した崖の下に建つ橋立堂に到着。マップに鍾乳洞巡りができるとあったので、是非とも来てみたかったのでした。しかしながら鍾乳洞は狭くて規模が小さかった。突き出した腹が邪魔で狭い通路をくぐれないー!
その前に、右手奥にある古く大きな日本家屋の茶屋でざる蕎麦の昼食です。持ってきたおにぎりも食べていい?って聞いたら、味噌汁をサービスしてくれました。そばも美味しかった。暑かったのでソフトクリームも食べてと、一時間も長居。その間に隊員はふ抜けてしまったのか、ここで帰ると駄々をこねます。だから今日はここまで。

帰り際にシャガの花を撮ろうとしたら、呼んでないのに写ろうと寄ってくる隊員。もうこれで帰るので?ニコニコ顔です。

浦山口から電車に乗って家路につきました。

今日は半年ぶりの山歩きで、出だしは全然足がついて来なかったのですが、国見の広場に登りついた頃には調子も上がり、西武秩父の駅までは楽勝だなと思っていたのでした。次回からは本格的な山登り再開の予感がしないでもないです。

(2012.5.14 隊長記す)