東北本線を下っていき、北上川の支流のひとつである豊沢川橋梁を渡ると列車は花巻市街にさしかかります。豊沢川は市街地のはずれを流れる川ですが、河川敷には緑も多くさまざまな野鳥のすみかになっています。ちょっと前には熊も出たと言うニュースもありました。架線柱の上に止まっていた鳶がピーヒョロロロといい声で鳴いています。電車が轟音を立てて鉄橋を渡って来ても逃げる気配すらありません。悠然と見下ろしている様は、この一帯に住む野鳥達の親玉のような威厳がありました。